フランスではナポレオン・ボナパルトが活躍した19世紀初頭から、大量の20フラン金貨が製造されました。 以降、革命や政変によって政府が変わっても、同一規格で発行は継続され、第一次世界大戦の勃発までデザインを 変えながら発行され続けました。
特に、皇帝ナポレオン3世(在位:1852年~1870年)の下で発行された20フラン金貨は通称「ナポレオン金貨」 と呼ばれ、二度の大戦を経験したフランス国民の小口資産保全に役立ちました。
また、ナポレオン3世の時代には堂々たる風格の大型金貨100フラン金貨の発行が開始され、 成長するフランスの経済力を象徴しています。
デザインの変遷を辿りながら収集するのも面白く、フランスの歴史と芸術の変化を感じられます。
「エンジェル」「セレス」などの愛称で呼ばれるものもあり、 特に20世紀初頭に発行された「ルースター(雄鶏)」の愛称で知られるタイプは、新世紀の時代の雰囲気を感じさせる秀逸な出来映えです。