セレウコス

大王は死の直前、「最強の者が帝国を継承せよ」と遺言したと云われています。
その後、忠臣たちの間でディアドゴイ(後継者)戦争が勃発し、大王が一代で築いた大帝国を分割していきます。

セレウコス(BC358年～BC281年)が継承したシリアは、最盛期には小アジア中部からインド北部にまで至る広大な領土でした。
後に「セレウコス朝シリア」と呼ばれる帝国は分裂を繰り返しながらも、東地中海の大国として勢力を保持し続けました。

通常、アレキサンダーコインの裏面　ゼウス神の右側にはアレキサンダーの名を示す「ΑΛΕΞΑΝΔΡΟΥ」の銘が確認できます。
しかしセレウコスの支配地域で発行されたコインの右端には、代わりにセレウコスの名銘「ΣΕΛΕΥΚΟΥ」が刻まれています。