紀元前1世紀、マケドニアの都市テッサロニカで発行されたテトラドラクマ銀貨。このコインが造られた当時、マケドニアはローマの支配下となっており、コインはローマから派遣された財政官によって発行されました。
表面には
アレキサンダー大王(マケドニア王 アレクサンドロス3世)の横顔像が打ち出されています。側頭部には巻角も確認できますが、首は細く華奢な印象の肖像です。下部には発行地マケドニアを示す
「ΜΑΚΕΔΟΝΩΝ」銘が配されています。
ローマの支配下にあってもアレキサンダーはマケドニアの英雄に他ならず、当地を征服したローマ人も崇敬の念を持っていたと思われます。
アレクサンドロス3世のブロンズ頭像 裏面にはリースに囲まれた三品が表現されています。上部に発行者アエシラスの名銘「
AESILLAS」が配され、下部には
金庫と
棍棒、
財政官の椅子が表現されています。椅子の上に配された「
Q」銘は財政官(Quaestor)を示します。