表面には月桂冠を戴くトラヤヌス帝 (在位:AD98年～AD117年)の横顔肖像が打ち出されています。トラヤヌス帝は帝国領土を最大化した皇帝として知られ、ローマ帝国最盛期を出現させた偉大な賢帝の一人に数えられています。
　周囲部にはトラヤヌス帝の尊称号「IMP CAES NERVA TRAIAN AVG GERM (最高司令官ネルヴァ・トラヤヌス皇帝 ゲルマニア征服将軍)」の銘が刻まれています。

　裏面には、勝利の女神ヴィクトリー (ウィクトリア)が表現されています。駆け出す様子の女神は背翼を広げ、左手で椰子の枝葉を持ち、右手で月桂冠を差し出しています。周囲部には、トラヤヌス帝の尊称号「P M TR P COS IIII P P (大神祇官にして護民官特権の保持者 執政官四回の国父)」銘が刻まれています。