• ダブルフェイス(ディオスクロイ)/イルカを捕える海鷲
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 紀元前4世紀、黒海沿岸の都市 イストロスで発行されたスターテル銀貨。イストロスはギリシャ人入植者がトラキア地方に最初に築いた植民都市とされ、主にミレトスからの入植者によって交易の中心地とされました。

 コインの表面には、反転する二つの青年の顔が表現されています。この二つの顔の意味ははっきりと分かっていませんが、イストロスが位置するドナウ川の大きな支流を表しているという説と、ギリシャ神話に登場する双子神 ディオスクロイであるという説が有力です。
 ディオスクリはカストールとポルックスの兄弟であり、主に馬に乗った若き戦士として表現されます。「レダと白鳥」の伝説に表された、ゼウス神(レダに近づくために白鳥に変身した)とレダの息子とされ、星座の「双子座」伝説の双子としても知られます。

 裏面にはイルカを捕える海鷲が表現されています。どちらも黒海に見られた生き物とみられ、上部には発行都市イストロスを示す「IΣTPIH」の銘が刻まれています。


 

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