古代インドのクシャン(クシャーナ)朝で発行されたディナール金貨。王朝の拠点が置かれた古代都市 タキシラ(現在のパキスタン,パンジャーブ州)で造られたとみられます。
表面には武装した
ヴァースデーヴァ王の全身立像が打ち出されています。左手で三叉矛を持ち、右手を祭壇上の聖火にかざしています。周囲部には「諸王の王 クシャン族のヴァースデーヴァ」を意味する銘文が配されています。クシャン朝のコインはギリシャ文化圏の影響を強く受けていましたが、刻まれた銘文は変質したギリシャ文字でした。
裏面には破壊と吉祥の神
シヴァが表現されています。右手で花輪、左手で三叉矛を持ち、背後には聖牛ナンディを従えています。右側にはシヴァを示す銘文、左上にはクシャン族のタムガ(印章)が配されています。
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