ローマ帝国初代皇帝　アウグストゥス帝の治世に造られたデナリウス銀貨。この銀貨はBC15年に、ガリアの中心的植民都市であったルグドゥノム(現在のリヨン)で造られました。

　表面には、アウグストゥス帝の若々しい横顔肖像が打ち出されています。ローマの帝政を創始したアウグストゥス帝は、BC27年からAD14年まで在位し、76歳で崩御するまでローマ帝国を統治しました。
　40年以上に及んだ治世で発行された各種コインには、アウグストゥス帝の肖像が刻まれていますが、そのどれもが若々しいものばかりです。アウグストゥス帝は「初代皇帝」としての自らのイメージを神格化させるため、大理石彫像からコインの肖像に至るまで、30代頃の若い姿のままで造らせたと伝えられています。
　尚、このデナリウス銀貨のように、アウグストゥス帝の治世初期に発行されたコインの肖像は無冠姿ですが、治世の後期に発行されたものは月桂冠を戴くようになります。"