紀元前4世紀、エーゲ海の東部に位置するレスボス島で発行されたヘクテ貨。このコインは金と銀の自然合金
エレクトラムによって造られており、およそ1/6スターテルの価値に相当したとされます。
表面には、帽子を被った
ヘルメス(フランス語では「エルメス」、英語では「マーキュリー」と呼ばれる)の横顔像が打ち出されています。ヘルメス神は交渉事に長け、天界の神々の間を素早く飛びまわる伝令神という性格から、商業や通信、旅の守護神とされています。
レスボス島のサッフォー レスボス島はギリシャ本土よりも小アジアに近く、コインを製造する技術や文化もいち早く伝播したと考えられています。中心都市ミュティレネは紀元前7世紀頃から小アジア~ギリシャの中継地点として栄え、ペルシア戦争やデロス同盟の時代にも重要な都市の一つしてその名が登場します。古来よりレスボス島には多くの人が行き交い、活発な経済活動を背景に豊かな文化が花開きました。古代ギリシャの著名な
女性詩人サッフォーは、レスボス島を代表する文化人として知られます。