19世紀～20世紀初頭のイギリスではコインの図柄をエナメルによって彩色し、ペンダントやブローチにする工芸品が流行しました。こうしたコインジュエリーは「ヴィクトリアン」と通称され、熟練の職人による繊細な作業によって、多種多様な作品が生み出されていました。現在では再現困難な、アンティークコインジュエリーです。

　このコインブローチは4ペンス(グロート)銀貨を3枚組み合わせ、ひとつの作品に仕上げたアンティークジュエリーです。3枚それぞれのブリタニア女神像にエナメル彩色を施し、色鮮やかな女神像を再現しています。紺、朱、白の三色から成るコントラストは、ブリタニアの洗練されたイメージをより華やかに引き立てています。女神が手にする盾のユニオンジャックも細かく彩色され、100年以上昔の職人の工芸技術が窺えます。

　小さなコインを3枚組み合わせることで存在感が生まれ、胸元を鮮やかに飾ります。