- 南アフリカ 1894 2.5シリング銀貨 ヴィクトリアンコイン
商品説明
19世紀~20世紀初頭のイギリスではコインの図柄をエナメルによって彩色し、ペンダントやブローチにする工芸品が流行しました。こうしたコインジュエリーは「ヴィクトリアン」と通称され、熟練の職人による繊細な作業によって、多種多様な作品が生み出されていました。
使用しているコインは19世紀末の南アフリカ、トランスヴァール共和国で発行された2.5シリング銀貨です。トランスヴァール共和国はオランダ系移民(ボーア人)によって建設された国家であり、現在の南アフリカ内陸部に存在しました。正式名称は「南アフリカ共和国」であり、コインにはアフリカーンス語による「Zuid-Afrikaansche Republiek (=南アフリカ共和国)」銘が配されています。
トランスヴァール共和国は1886年に金鉱脈が発見されたことにより経済的に潤いましたが、金を巡ってイギリスと対立し、二回にわたる戦争(ボーア戦争)の末にイギリス軍によって攻め滅ぼされました。ポール・クリューガーは亡国となったトランスヴァールの最後の大統領となり、1900年の敗戦に伴いヨーロッパへ亡命しました。
かつての敵国であるトランスヴァールのコインを使用し、イギリスで作成されたコインジュエリー。征服されたトランスヴァールの国章の内部まで美しく彩色された逸品です。