商品説明
紀元前4世紀末のマケドニア王国で発行された4ドラクマ銀貨。アレキサンダー大王(アレクサンドロス3世)の没後、フィリッポス3世の治世下にメソポタミアの古代都市バビロンの造幣所で造られました。
表面にはアレキサンダー大王(アレクサンドロス3世)の横顔像が打ち出されています。頭部にはライオンの毛皮を被り、神話上の英雄ヘラクレスに重ね合わせたイメージで表現されています。
アレキサンダー大王は少年時代よりギリシャ神話の英雄ヘラクレスに強い憧れを抱き、自らをヘラクレスの末裔と信じていたと伝えられます。コイン上に表現されたヘラクレスの顔は、当時のアレキサンダー大王本人の横顔を表現したものと考えられています。このコイン自体は大王が亡くなった直後の時期に造られましたが、その後も同じデザインの銀貨が征服地の各地域で最も信用のおける通貨として、造幣・流通が継続されたのです。
裏面には大神ゼウスが表現されています。玉座に腰掛けるゼウス神は左手で王笏を支え、右手上には自らの聖鳥である鷲を乗せています。
右側には通常アレキサンダーの名銘「ΑΛΕΞΑΝΔΡΟΥ」が刻まれていますが、このコインでは代わりに発行者フィリッポス3世を示す「ΦΙΛΙΠΠΟΥ (ΒΑ)ΣΙΛΕΩΣ (=フィリッポス王)」銘が刻まれています。