表面には月桂冠を戴く
アントニヌス・ピウス帝(在位:AD138-AD161)の横顔肖像が打ち出されています。20年以上に及ぶ治世はローマ帝国の最良の時代とされ、大きな戦争や混乱が起こらなかったことから「歴史無き皇帝」とも呼ばれています。
裏面には
フォルトゥーナ女神立像が表現されています。フォルトゥーナは幸運と好機をもたらす運命の女神とされ、ローマ市内にもフォルトゥーナ女神を祀る神殿が建立されました。この立像ではコルヌ・コピア(豊穣の角)を抱きながら、細長い舵を支えています。これはフォルトゥーナが幸運・好機・富をもたらすと共に、「運命」こそが人生の舵を握っていることを示しています。
フォルトゥーナ女神像 ヴァティカーノ美術館所蔵。ローマの外港オスティアで祀られていたもの。