• マクシミヌス・トラクス帝/パックス女神
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 表面にはマクシミヌス帝(在位:235年~238年)の横顔肖像が打ち出されています。マクシミヌスはもともとトラキア出身の農民であり、兵士として出世した人物でした。その出自から元老院や貴族、ローマ市民からは「マクシミヌス・トラクス(=トラキアのマクシミヌス)」と渾名されました。
 マクシミヌスは怪力自慢の大男であり、身長は2m50cmもあったと伝えられています。武勇に優れ、兵士からは厚い支持を集めましたが、軍事行動の資金を集めるために市民の財産を強制的に徴収するなどの暴政を行いました。ついに元老院から「公敵」と宣言された後、ローマへ進軍する途上で暗殺され、その治世を終えています。
 『ローマ帝国衰亡史』を著したエドワード・ギボン(1737年~1794年)は、マクシミヌス帝を「文明人どころか人間としての心情すら完全に欠如した野獣的暴君」と評しています。


 

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