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プロブス帝(在位:AD276-AD282)はドナウ川流域出身の軍人として頭角を現し、軍隊内では厚い支持を集めていた。軍隊と東部諸属州によって擁立されたプロブスは皇帝即位後にガリアとゲルマニアの蛮族と戦い、その後は小アジアやエジプトの反乱軍を鎮圧。281年末にはローマで盛大な凱旋式を挙行した。
内政においては兵士を動員してナイル川やドナウ川の干拓工事を行い、各地に神殿や橋、城壁等を建設した。また、ガリアやドナウ川流域でブドウ栽培を奨励し、兵士を労働力として農地開発に取り組んだという。プロブス帝の政策は長年の戦乱で荒れ果てた属州を復興させようとするものだったが、動員された兵士たちの不満を高める結果となった。282年9月末頃、出身地のシルミウム近郊(*現在のセルビア北部,スレムスカ・ミトロヴィツァ)で軍隊の反乱が勃発し、プロブス帝は当地で殺害された。