英領時代のフィジーで発行されたこの6ペンス銀貨は、イギリス本国で発行されたものとデザインが異なります。
　また1942年当時の英領フィジーの6ペンス銀貨は、太平洋戦争中のため本国イギリスからの輸送が行えず、代わってアメリカのサンフランシスコ造幣局が製造を請け負いました。そのため、太平洋戦争中に製造・発行された銀貨は通常規格のSilver500(=50％)ではなく、アメリカの銀貨と同じSilver900(=90％)で造られています。


　表面の英国王ジョージ6世(在位:1936年～1952年)は王冠を戴いた国王らしいお姿です。兄エドワード8世の退位に伴い即位したジョージ6世は吃音症に悩まされながらも、第二次世界大戦の困難な時代を統治した名君として、そして現在の英国女王 エリザベス2世の父としても知られます。ジョージ6世の物語は2010年の映画『英国王のスピーチ』で取り上げられ、広く世界に知られるようになりました。

　裏面は「FIJI」「SIX PENCE」の文字と共に、可愛らしいウミガメが表現されている、南国らしいモティーフです。