商品説明
キストフォリ銀貨はコインに刻まれたCISTAE(籠)に由来する名称。この籠は酒神ディオニソスの秘儀に用いられた神秘の籠とされている。小アジアで広く知られた神具だったが、紀元前2世紀以降、ローマが小アジア西部を支配下に置くと、主要都市で多く発行された銀貨のデザインとして普及した。このコインの裏面左側には「ΛAO」銘が配されており、ラオディケイアで造られたことが分かる。
一枚でおよそ3デナリウスの価値に相当するとされ、現地に駐屯するローマ兵士の給与としても支払われた。帝政期以降はローマ皇帝の肖像に変わったが、キストフォリの通称は引き継がれた。