• ユリアヌス帝/牡牛
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 表面には哲学者風の山羊顎鬚を蓄えたユリアヌス帝(在位:AD361-AD363)の胸像が表現されています。キリスト教がローマ帝国内で伸長していた時代、ユリアヌス帝は時流に逆らいローマの栄光を回復すべく、ギリシャ・ローマ神話礼讃に基づく理想的な国づくりを試みました。そのため後世の歴史家からは「背教者」と渾名されています。
 わずか3年足らずという短い治世に終わり、その理想も儚く散ったユリアヌス帝の人生は、ドラマチックな半生と夢想家的な人柄から多くの人々を魅了し、後世多くの作家や歴史家によって取り上げられました。

 裏面には二つの星の下に立つ牡牛の姿が表現されています。このモティーフは東方から伝播したミトラ教の犠牲獣、またはユリアヌスが牡牛座であることを示しているなど、様々な解釈がなされています。しかしそれらはあくまで憶測の域を出ず、その真相は未だ謎に包まれています。


 

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