表面には
ジュノー(ユノー)女神像が打ち出されています。ジュノーはギリシャ神話のヘラに相当する女王神であり、大神ジュピター(ユーピテル)の正妻とされました。山羊の毛皮を被った姿は「ユノー・ソスピタ(=救済のジュノー)」と呼ばれ、古代ローマでは女性や子どもたちを守護する女神の姿とされていました。紀元前197年にユノー・ソスピタに捧げる神殿の建立が誓願され、3年後の紀元前194年にローマ市内のフォルム・ホリトリウムに建立されました。
ジュノー女神像 ヴァチカン美術館所蔵。コインと同じく山羊の毛皮を纏った姿。
縁の部分に付けられている無数の切り込みは「Serratus (セラトゥス)」と呼ばれ、ラテン語でギザを意味します。
この切り込みは削り取りなどの変造、またはメッキによる偽造を防止するために付けられたと考えられています。