• カラカラ帝/戦勝トロフィー&パルティア人捕虜
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 3世紀初頭、セウェルス朝時代の古代ローマ帝国で発行されたデナリウス銀貨。

 コインの表面には、カラカラ帝(在位:AD209年~AD217年)の若々しい横顔肖像が打ち出されています。この肖像は、幼い副帝時代のものをそのまま引き継いだ肖像と考えられ、髭を生やした険しい肖像とは趣が大きく異なります。
 カラカラ帝は全ての属州民にローマ市民権を与えた「アントニヌス勅令(カラカラ勅令)」や、ローマ市内に建設した巨大公衆浴場「カラカラ浴場」の名で知られます。また、コインの世界では一枚でデナリウス銀貨2枚に相当するとした名目貨幣、通称「アントニニアヌス」の発行で有名です。

 カラカラは実弟のゲタと激しく反目し、父セプティミウス・セウェルス帝が懸念するほど対立していました。セプティミウス・セウェルス帝の亡き後は兄弟による共同統治を開始しましたが、双頭体制から一年を経ずしてゲタは兄カラカラによって暗殺されました。また、カラカラは弟ゲタの支持者をも容赦なく粛清し、ゲタに関する記録すら抹消して権力の強化を図ったと云われています。


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                  カラカラ浴場跡 (イタリア,ローマ)

 カラカラ帝がローマに建設した大浴場はコンクリートとレンガを駆使し、芸術性と実用性を兼ね備えた大規模な公共建築物でした。ドーム型の熱浴室(カルダリウム)はパンテオンを凌ぐ大きさであり、鮮やかで細密なモザイク画の床と漆喰画の天井、大理石の壁によって豪華に装飾されていたようです。ローマ帝国の驚異的な建築技術と栄華を誇る遺跡として、今なお観光客が絶えない大遺跡です。


 

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