19世紀末、皇帝ペドロ2世治世下のブラジル帝国で発行された200レイス白銅貨。
このコインが発行された翌年の1889年にクーデターが勃発し、帝政から共和政へと移行しました。 皇帝ペドロ2世は1831年~1889年の長きにわたってブラジルを統治しました。5歳で即位したペドロ2世は開明的な君主であり、海外への歴訪や文化活動にも熱心でした。またその治世中にブラジル国内の開発が進められ、文化・経済面での発展が促進された時代でもありました。
しかし改革に熱心な皇帝は保守派の反発も招き、1889年に奴隷解放令をきっかけとしてクーデターを起こされました。当時外遊中だった皇帝はそのまま帰国できなくなり、本国で廃位が宣言された後にヨーロッパへ亡命、2年後にパリで亡くなりました。
ところがこうした進歩的な政治姿勢は一般国民の支持を集め、帝政が崩壊して以降もペドロ2世に対する敬愛は衰えませんでした。今尚、ペドロ2世は古き良き華やかな時代の象徴、19世紀の発展と進歩をもたらした政治家として、ブラジルでは肯定的に捉えられています。