商品説明
マルクス・オペッリウス・マクリヌス(在位:AD217-AD218)は北アフリカ出身の皇帝であり、ムーア人(※現在のベルベル人)の血をひいていたと云われる。カラカラ帝の近衛隊長まで昇格した後、皇帝暗殺に伴って帝位を継承したためセウェルス朝の血統には入っていない。
即位後はパルティアとの講和を成立させ、元老院を尊重してその支持を得ることにも成功したが、自らは東方属州に留まり続け一度もローマへ帰還しなかった。やがてシリアで決起したユリア・マエサと孫のヘリオガバルス(=エラガバルス帝)に敗れ、逃避途中のカッパドキアで殺害された。
コインの裏面に表現された大神ジュピター(ユーピテル)の足元には、小さな人影が確認できる。これはマクリヌス帝自身、または副帝(CAESAR)である息子ディアドゥメニアヌスを表現したものとみられ、後者の場合はジュピター神=マクリヌス帝に見立てられている可能性もある。