ジョージ5世(在位:1910年~1936年)の治世はイギリスにとって大きな変化の時代とされました。特に治世初期に勃発した第一次世界大戦は、大英帝国の仕組みや経済、社会の伝統を大きく変容させることになりました。
戦時中は常に軍服を着用し、軍と国民を鼓舞したジョージ5世は、困難な時代を乗り切った名君として尊敬を集めました。豊かな頬髯と鋭い目つきは、威厳あふれる伝統的な英国王のイメージそのものです。その姿は世界中のイギリス領植民地や保護領のコイン、紙幣、切手に表現されました。
ジョージ5世と乞食 (北アイルランド訪問時) ジョージ5世は気難しく気性の激しい人だったと伝えられていますが、生真面目で責任感の強い人物でもありました。様々な階層の幅広いイギリス国民から信頼と尊敬を集め、今なお高く評価される国王の一人です。またその生涯を熱心な切手コレクターとして過ごし、貴重なコレクションを多数所蔵したことでも知られています。