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ガリエヌス帝(在位:AD253年~AD268年)は父ウァレリアヌス帝のローマ皇帝即位時、共同統治帝として共に即位しました。後世の歴史書では「豪奢と退廃を究めたローマ皇帝」として評価されることが多く、ローマ帝国の衰亡を早めた皇帝として記録されていました。
ガリエヌス帝は放蕩な性格であったとされ、軍事・政治以外の様々な趣味、文芸などに才能をみせ、特に詩作に秀でていたとされます。人質としてローマに送られてきたゲルマン人族長の娘とのロマンスなど、情熱的な人物であったことをうかがわせる噂も残されています。
しかし実際には父帝との共同統治時代から単独皇帝としての統治に至るまで、帝国の各地で蛮族との戦いを指揮していたことが分かっています。治世中には父ウァレリアヌス帝がペルシア軍の捕虜にされ、ガリアやパルミラでは叛乱、北方では蛮族による侵入と略奪が相次ぐなど、混乱に満ちたものでしたが、少なくともガリエヌス帝自身が全くの放蕩息子であったとは言い切れないようです。