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フラウィウス朝時代の皇帝ドミティアヌス(在位:AD81-AD96)は、勤勉で実務的な姿勢から市民からも高く評価された父ウェスパシアヌス帝や、兄ティトゥス帝に倣い、即位当初は大衆の支持を得られるような善政を心がけた。
しかし自身の暗殺計画が発覚して以降、常に暗殺の脅威に怯え、疑心暗鬼を募らせるようになった。強いストレスから来る強迫観念は、やがて皇帝の精神を蝕みはじめ、次第に残虐非道さをもって顕わになった。その行いは凄まじく、ネロ帝を凌ぐほどの暴君と評されるまでになった。
元老院議員、富裕層から知識人、ユダヤ教徒、キリスト教徒に至るまで、幅広い階層の人々が迫害の対象となった。後にドミティアヌス帝は周囲の近臣や家族からも恐れられ、AD96年に自らの妻であるドミティア妃と親衛隊によって惨殺された。