シリカ銀貨は4世紀半ばから発行されたコインであり、銀の純度は高くその多くが退蔵された。24枚でソリダス金貨一枚の価値に相当した。
4世紀のローマ帝国版図(東西分割期) ウァレンス帝(在位:AD364-AD378)はウァレンティニアヌス1世の弟であり、兄の皇帝即位に伴って東方担当(*上の地図の赤色部分)の共同統治帝となった。治世中は倹約に基づいた減税を実現させるなど功績を残したが、頻繁な異民族の侵入によって国土は荒廃しはじめていた。
378年8月9日のハドリアノポリスでの戦いにおいてウァレンス帝は自ら戦場に立ったが、勇猛なゴート族との戦闘に敗北。負傷して付近の小屋に逃げ込んだ後、敵軍に放火され焼死した。