3世紀半ばの古代ローマ帝国で発行されたアントニニアヌス銀貨。
表面には、当時のローマ皇帝
デキウス (トラヤヌス・デキウス帝 在位:AD249年~AD251年)の横顔肖像が打ち出されています。この時代のコインには珍しく、細かいところまではっきりとした、美しい打ち出しです。
裏面には
女神アバンダンティアの立像が表現されています。コイン上のアバンダンティア女神は、両手で豊穣の角(コルヌ・コピア)を携えており、そこから穀物やコインを地に注ぐ様子で表現されています。
その周囲部には女神の名を示す「
ABVNDANTIA AVG (アバンダンティア女神)」の銘が刻まれています。
アバンダンティアはローマ神話に登場する幸運の女神であり、富や豊穣、成功をもたらすとされています。また財産や投資の守護神とされ、金銭や豊穣などの富を人々にもたらす女神として信奉されました。
アバンダンティア女神