• 神君マルクス・アウレリウス/大鷲
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 マルクス・アウレリウス帝が崩御したAD180年、ローマ元老院は亡き皇帝を神に列することを決議しました。 このコインはマルクス・アウレリウスが神格化されたことを記念して、息子コンモドゥス帝によって発行されたものです。

 裏面の大鷲は大神ユーピテル=ローマ皇帝の象徴であり、上部に刻まれた「CONSECRATIO(=神聖)」の刻銘と共に皇帝の神格化を表しています。マルクス・アウレリウス神格化に際して発行されたデナリウス銀貨の場合、裏面の大鷲は球に乗っているものや雷霆(ケラウノス)を掴んでいるもの、また月桂樹のリースをくわえているものなど様々なタイプが存在します。


 マルクス・アウレリウスは自分とあまりにも価値観が異なる息子を懸念していましたが、将来の皇帝として期待をかけ、名目上の「共同統治帝」に格上げしたほどでした。死の床にある時にも側近や臣下に対して、息子コンモドゥスを助けるように伝えたと云われます。

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         死の床にあるマルクス・アウレリウス帝と息子コンモドゥス (ドラクロワ作)

 ところが父帝の期待も虚しく、帝位に就いたコンモドゥスは、従来以上に奇行を目立たせるようになり、政治に対しても無関心であり続けました。結果的にコンモドゥス帝は元老院に離反され、愛人と近衛兵の手によって暗殺され壮絶な最期を遂げました。


 

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