18世紀初頭のイギリスで発行された1シリング銀貨。1シリングは12ペンスの価値に相当し、当時のイギリス国内で広く流通した銀貨でした。そのため磨耗が激しく、良好な保存状態で残されているものは希少です。
アン女王(在位:1702年~1714年)治世下の1707年、同君連合国だったイングランドとスコットランドは正式に合邦され、大ブリテン(=イギリス)として一つの国家となりました。コインの裏面に配されている盾の一つには、イングランドの国章(三頭のライオン)とスコットランドの国章(一頭のライオン)が組み合わされて表現されています。
アン女王は統一されたイギリスの最初の君主となりましたが、彼女の子供たちは皆幼くして亡くなったため、女王の崩御と共にスチュアート朝は断絶。ドイツのハノーヴァーから迎えられたゲオルクが国王ジョージ1世として即位し、ハノーヴァー朝(*現在のウィンザー朝)が創始されました。