• アレクサンデル・セウェルス帝/アバンダンティア女神
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 コインの表面には、月桂冠を戴くアレクサンデル・セウェルス帝(在位:AD222年~AD235年)の横顔肖像が打ち出されています。その姿は短髪に刈り上げられた、青年皇帝として表現されています。アレクサンデル・セウェルスは即位時にまだ11歳でしたが、優秀な側近と母親に補佐されながら帝国を統治しました。また皇帝本人も実直で穏やかな人物だったとされ、カラカラ帝暗殺後、混乱していたセウェルス朝下のローマ帝国は一応の安定をみました。なお、アレクサンデル・セウェルス帝の時代は日本での弥生時代にあたり、邪馬台国の女王 卑弥呼が活躍した時期にあたります。


 セウェルス朝最後の皇帝 アレクサンデル・セウェルスは祖母のユリア・マエサと母親のユリア・ママエアによって皇帝に擁立された少年でした。13歳で即位したアレクサンデルは前任のエラガバルス帝を反面教師とし、真面目で実直な青年として育てられました。
 その13年の治世は、先のカラカラ帝~エラガバルス帝の治世で退廃したローマ帝国の風紀と秩序を回復した功績が讃えられています。しかし実権は側近と母親のママエアによって握られており、その関係性は当時から広く知られていました。また、ササン朝ペルシアとの戦争処理によって、軍の支持を失ったと云われています。最期はライン川近くの陣中で母親と共に殺害されました。


 裏面には、女神アバンダンティアの立像が表現されています。コイン上のアバンダンティア女神は、両手で豊穣の角(コルヌ・コピア)を携えており、そこから溢れ出したコインを大地に注ぎ出す大胆な構図で表されています。その周囲部には女神の名を示す「ABVNDANTIA AVG (アバンダンティア女神)」の銘が刻まれています。

 アバンダンティアはローマ神話に登場する幸運の女神であり、富や豊穣、成功をもたらすとされています。また財産や投資の守護神とされ、金銭や豊穣などの富を人々にもたらす女神として信奉されました。

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                    アバンダンティア女神


 

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