バルト三国の一つ、ラトビアで発行された5ラティ銀貨。1918年に独立して間もない時期に発行されたこの大型銀貨は、若き小国を体現する優れたデザインから、ラトビア国民と世界中のコインコレクターに愛されています。
ラトビア共和国を象徴化したこの女性像は、同国では「ミルダ」のニックネームで親しまれています。1920年代、国家証券印刷局に勤めていた若い女性職員 ヅェルマ・ブラーレイをモデルにして制作されたと伝えられています。
モデルとなったヅェルマ・ブラーレイ (1900年~1977年)
「ミルダ」5ラティ銀貨はソ連併合時代、ラトビア人にとって独立時代の象徴となり、民族解放への希望を保つための御守りとして大切にされていたそうです。ラトビアは1991年に再び独立を達成し、ヨーロッパ連合(EU)への加盟、ユーロの導入を経て再びミルダのコインを復活させたのでした。