1世紀末、ローマ帝国時代のエジプト(アエギュプトゥス)属州都 アレクサンドリアで造られたテトラドラクマ貨。
アガトダイモンは幸運と健康の神であり、古代ギリシャでは蛇の姿で表現された。ローマ時代のアレクサンドリアでは古代エジプトの神シャイと同一視されるようになり、豊穣や幸運、富を象徴する持物と共に表現された。
コム・エル・シュカファのカタコンベに残るレリーフ アレクサンドリア市に残るローマ帝国時代のカタコンベ(地下墓地)には、このコインと同じ構図のアガトダイモンが表現されている。1900年にロバが穴に落ちたことで発見されたこの遺跡には、ローマ、ギリシャ、エジプトの文化・宗教を融合させた興味深いモティーフが数多く残されている。