このコインが造られた18世紀末のバイーアでは、植民地政府に対する叛乱が計画され、動乱の只中にありました。
ブラジル北東部の港湾都市バイーア(現在のサルヴァドール)はポルトガルによるブラジル植民地支配の拠点となった大都市でした。しかし18世紀半ば以降、ポルトガルの支配に対する反発が強まり、1798年にバイーア共和国独立宣言が布告されました。後に「バイーアの陰謀」と呼ばれるこの動きは、知識人だけでなく一般市民や黒人奴隷も多く賛同しました。同時代に勃発したフランス革命に影響を受けたこの革命騒ぎは、すぐにポルトガル植民地政府によって鎮圧されましたが、ブラジルがポルトガルから独立する重要な一歩となりました。
1798年 バイーア蜂起の図