• レスボス島 エレクトラム貨 ライオン/子牛
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 エーゲ海の東部に位置するレスボス島で発行されたヘクテ貨。レスボス島の中心都市ミティリーニ(ミュティレネ)では様々な種類のヘクテ貨が造られ、小さいながらもその多彩さと繊細さから専門の収集家も存在します。このコインは金と銀の自然合金「エレクトラム」によって造られており、およそ1/6スターテルの価値に相当したとされます。

 レスボス島はギリシャ本土よりも小アジアに近く、コインを製造する技術や文化もいち早く伝播したと考えられています。中心都市ミュティレネは紀元前7世紀頃から小アジア~ギリシャの中継地点として栄え、ペルシア戦争やデロス同盟の時代にも重要な都市の一つしてその名が登場します。古来よりレスボス島には多くの人が行き交い、活発な経済活動を背景に豊かな文化が花開きました。古代ギリシャの著名な女性詩人サッフォーは、レスボス島を代表する文化人として知られます。

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                     レスボス島のサッフォー


 この島で作り出された小さなヘクテ貨の表面には、猛々しい雄ライオンが咆哮する姿が打ち出されています。鬣が逆立ち、口周りの細かい毛まで表された、繊細な造型です。当時、小アジアには多数のライオンが生息していたとされ、レスボス島の人々にとっても比較的身近な猛獣だったとみられています。

 古代ギリシャ時代の職人の技術力の高さ、文化の豊かさを証明する小粒なエレクトラム貨。古代文明の重要遺産ともいえる一枚です。


 

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