• レスボス島 エレクトラム貨 ライオン/子牛
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 エーゲ海の東部に位置するレスボス島で発行されたヘクテ貨。このコインは金と銀の自然合金「エレクトラム」によって造られており、およそ1/6スターテルの価値に相当したとされます。

 表面には咆哮するライオンの頭像が打ち出されています。逆立つ鬣から鋭い牙、睨みつける目から顔面の細かい筋肉の動きまで、ほとんど磨耗・欠損することなく残されています。小さい空間に打ち出されていながら、立体感のある、彫刻のような造型です。この生き生きとしたライオンの姿は、実物を目の当たりにした人物が表現したと思われます。
 当時、小アジア一帯には多くのライオン(アジアライオンなど)が生息していたと考えられており、コインにも同種のライオンが写実的に表現されています。

 裏面には子牛の頭像が陰刻によって表されています。通常、刻印を削りだして打ち出す陽刻コインとは異なり、基となる刻印自体を陽刻にして作らなければならない為、手間と高い技術力が求められる仕様です。

 このコインは細部の磨耗や傷、汚れがなく、また両面の打ち出しも全てはっきりと入っており、大変希少な美しさといえます。2500年前に造られたコインがここまで美しい状態で現存しているのは、まさに奇跡的な状態です。


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                     レスボス島のサッフォー


 レスボス島はギリシャ本土よりも小アジアに近く、コインを製造する技術や文化もいち早く伝播したと考えられています。中心都市ミュティレネは紀元前7世紀頃から小アジア~ギリシャの中継地点として栄え、ペルシア戦争やデロス同盟の時代にも重要な都市の一つしてその名が登場します。古来よりレスボス島には多くの人が行き交い、活発な経済活動を背景に豊かな文化が花開きました。古代ギリシャの著名な女性詩人サッフォーは、レスボス島を代表する文化人として知られます。

 古代ギリシャ時代の職人の技術力の高さ、文化の豊かさを証明するヘクテ貨。小さいながらも、2500年に及ぶ長大な歴史を担っています。古代エーゲ海文明の重要な美術文化遺産です。


 

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