紀元前1世紀半ば、共和政時代の古代ローマで発行されたデナリウス銀貨。表面には
サターン神の横顔像が打ち出されています。左側に配されている突起物のようなものは鎌であり、農耕神としての性格を示しています。
サートゥルヌス (サターン)のレリーフ 古代ローマにおいて
サターンは「サートゥルヌス」の名で知られた農耕の神であり、ギリシャ神話のクロノスに相当する老神と捉えられていました。毎年年末にはサターン神を奉る収穫祭が盛大に催され、貴族から市民、奴隷に至るまで無礼講の騒ぎが繰り広げられたと云われます。
また土星を象徴する神とされ、ラテン語の「Saturnus(サートゥルヌス)」、英名の「Saturn(サターン)」はそのまま土星を意味し、英語で土曜日を示す「Saturday」はサターン神の名前に由来します。一方で「農耕=季節、年月などの時間」を象徴するものとされ、鎌によって時を刈り取る神とも捉えられました。