商品説明
表面には知恵と戦術の女神アテナの正面像が打ち出されています。女神の兜からは長髪が出、風に靡いている様子が表現されています。微笑む女神が身につけている、耳飾りや首飾りなども細かく打ち出されており、大変状態が良いことが見てとれます。正面像のアテナ女神を表現したコインの例は少なく、また正面であるが故に磨耗に弱いという特性があります。このコインでは女神の鼻、目、唇も残されており、鑑賞に充分堪えうる美しさです。
裏面には大神バールの坐像が表現されています。バール神はゼウス神と同じく雷を操り、天候を左右する神とされていました。農耕民にとっては重要な神とされ、その起源は古代メソポタミアのバビロンにまで遡ると云われています。このコインが発行された紀元前4世紀頃には、主に小アジア~フェニキア地方まで広く信奉されていたようです。
コインでは筋骨隆々としたバール神が、王笏を片手に玉座に腰掛ける様子で表されています。小さいながらバール神の顔、表情や、腹筋の割れ目、手足の動きや衣の襞まで、非常に細かく表現されています。左側には麦穂と葡萄、玉座の下部には発行都市マロスを示す「Μ」の銘が刻まれています。