紀元前4世紀、小アジア南部キリキア地方の都市 タルソスで造られたスターテル銀貨。当時のキリキアはアケメネス朝ペルシアの支配下にあり、後にマケドニアのアレキサンダー大王(アレクサンドロス3世)によって征服されました。
表面には知恵と戦術を司る女神
アテナの正面胸像が打ち出されています。頭部には飾り羽をつけた兜を被り、首には細かい首飾りをつけています。通常、正面像は磨耗しやすく図像が損傷しやすいため、流通するコインには不向きといわれています。そのため正面像が表現されたコインは例が少なく、特に正面像で表現されたアテナ女神像は珍しい存在といえます。
裏面には雷雨と豊穣をもたらす大神
バールが表現されています。バール神は古代ギリシャ神話の大神ゼウスと同一視された東方の神であり、主に小アジア南東部~シリア、フェニキアで広く信奉されていました。特に同時代のキリキア地方で発行されたコインには、その図像が多く表現されていました。
玉座に腰掛け、王笏を支えるバール神の左側には、豊穣を象徴する麦穂と葡萄の房が、右側には葡萄の葉が配されています。また玉座の下部には、発行都市タルソスを示す「Τ」銘が配されています。

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