商品説明
小アジアのカリア地方で造られたこの特徴的なコインは、古代ギリシャコインの名品のひとつに数えられます。そのシンプルで特徴的なデザインは、一度見れば忘れられないほど洗練されたものです。まさにアルカイック期の特徴を程よく残した、古代コインの逸品といえるでしょう。
表面には勝利の女神ニケが、舞を踊っている姿で打ち出されています。大きな背翼を広げたニケ女神は、右手にカデュケウス(伝令の杖)、左手には月桂樹のリースを持っています。
ニケは英語で「ヴィクトリー」とも呼ばれる勝利神であり、有名スポーツ用品メーカー「NIKE」の名元としても知られます。また、ルーブル美術館の「サモトラケのニケ」でも広くその名が知られています。
ギリシャ神話でのニケはタイタン族のパラスとステュクスの間に生まれた娘とされ、オリンポスの神々とタイタン族の戦いの際にはオリンポス側につきました。大きな背翼が特徴的であり、勝者の頭上に勝利の月桂冠を掲げるとされています。
裏面には、細いピラミッドのような三角錐が表現されています。この三角錐は、カリア地方の都市で祀られていた聖石を表していると思われます。