4世紀、コンスタンティヌス大帝治世下の古代ローマ帝国で造られたフォリス貨。
コンスタンティヌス1世のサルマティア人に対する軍事的勝利を記念して造られたとみられています。 表面には
コンスタンティヌス1世(在位:AD307年~AD337年)の凛凛しい横顔肖像が表現されています。周囲部には
「CONSTANTINVS AVG (コンスタンティヌス帝)」の銘があります。その肖像は美しく、周囲の銘文も完璧に読み取れる、大変素晴らしいグレードの古代銅貨です。
コンスタンティヌス1世の巨大頭像 コンスタンティヌス1世は分裂上にあったローマ帝国を再統一し、強力な軍事力と政治力、類稀なカリスマ性をもって帝国を統治しました。新都コンスタンティノポリス建設や初のキリスト教公認、異民族との戦いなどから、後世には「大帝」と呼ばれて尊敬を集めました。特に彼自身も晩年にキリスト教の洗礼を授かり、キリスト教徒皇帝になったと云われるほど、キリスト教徒にとっては英雄視された人物でもありました。
裏面には
勝利の女神ヴィクトリーと、後手を縛られた捕虜が表現されています。ヴィクトリー女神はローマ軍の戦勝トロフィーを小脇に抱え、左手で栄光を象徴する椰子の枝葉を持っています。右下の捕虜は座らされ、ヴィクトリー女神に足蹴にされています。
この捕虜は、黒海北部から南下したサルマティア人(またはサルマタイ人)を表しており、
AD323年にコンスタンティヌス1世が、サルマティア人との戦いに勝利したことを示しています。