商品説明
紀元前4世紀の古代カルタゴで発行されたスターテル貨。このコインは「エレクトラム」と呼ばれる金と銀の自然合金によって造られています。
カルタゴはフェニキア人によって建設された北アフリカの都市国家であり、現在のチュニジア北部を拠点に勢力を拡大させました。優れた航海術と海洋貿易をもって繁栄し、地中海とアフリカ内陸部との交易で富を蓄えました。最盛期にはイベリア半島やシチリア島西部も勢力下に置いていましたが、同時期に勢力を拡大させていたローマと衝突することになります。
表面には豊穣の女神タニトの肖像が打ち出されています。タニト神はカルタゴの守護女神として篤く信奉された大地母神であり、雷神バールの妻とされていました。古代カルタゴでは夫婦の間に生まれた長子が男児であった場合、その幼児を生贄としてタニト神に捧げていたと云われています。
裏面には馬の全身像が表現されています。馬はカルタゴの象徴的な動物であり、カルタゴが発行したコインの裏面には、ほぼ全てに馬のモティーフが刻まれています。