• カラカラ帝/医神アスクレピオス
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 3世紀初頭、カラカラ帝治世下のローマ帝国で発行されたデナリウス銀貨。
 表面には、月桂冠を戴くカラカラ帝(在位:AD211年~AD217年)の横顔肖像が打ち出されています。その表情は険しく、厳しい性格を顕わにしています。

 裏面には、医神アスクレピオスの立像が表現されています。アスクレピオスはギリシャ神話に登場する医術と治癒を司る癒しの神であり、死者を蘇らせるほどの能力を持っていたとされています。
 左足下には、世界を象徴する球が置かれ、右手には蛇が巻きついた杖を携えています。構図の左下に立っているフードを頭から被った小人は、アスクレピオス神の息子であるテレスポロスです。

 カラカラ帝は自らの病を癒すため、アスクレピオス神を篤く信奉したとされます。小アジアのペルガモンを訪問した際には、当地のアスクレピオス神殿へ参詣し、神殿の医師団から直接治癒を受けたと云われています。


 

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