• レスボス島 極小エレクトラム貨 ライオン/子牛
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 エーゲ海のレスボス島で造られた極小のヘクテ貨は、「エレクトラム」と呼ばれる金と銀の自然合金によって造られています。レスボス島は小アジア(現在のトルコ)に地理的に近く、コイン造幣の技術や文化も、他のギリシャ諸都市に先駆けて伝播した地と考えられています。

 特に、レスボス島の中心都市ミティリーニで発行されたヘクテ(1/6スターテルに相当)はその種類が多岐にわたり、専門的な収集家も数多くいます。バラエティに富んだ中でも、特にこの「吠えるライオン/子牛(陰刻)」のタイプは代表的なタイプです。
 表面のライオンは鬣を逆立てて猛々しく咆哮しており、獰猛な雄獅子を見事に表現しています。裏面には子牛の頭部が陰刻によって表現されています。首筋の皺や数珠状の首輪まで、繊細に刻まれています。

 まだ拡大鏡も無い時代、当時の職人の手彫り彫刻によって刻まれた造型は、わずか1cm程度のスペースに収められたとは信じられないほどの美しさです。現代の人々をもうならせるほどの繊細な技術を、古代ギリシャ人が持っていたことを示す史料的な価値もあります。
 また、この時代に造られたヘクテ貨は、材質とその小ささ、刻印の繊細さから、状態が良いものは貴重です。このコインの場合、造られた当時の繊細さをほぼ完全に形として残しています。


 

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