• アレキサンダー大王/アテナ女神
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 紀元前3世紀の初頭、古代都市ランプサコスで造られたテトラドラクマ銀貨。このコインは、アレキサンダー大王(マケドニア王 アレクサンドロス3世)の有力部下の一人であり、大王亡き後はトラキア王となったリシマコス(BC360年~BC281年)の統治下に発行されました。

 BC323年に死去したアレキサンダー大王の後継を巡り、かつての配下の武将たちの間で戦いが繰り広げられました。その最中、リシマコスはトラキアのみならずマケドニアや小アジアの一部を手中に納め、エジプトのプトレマイオスやシリアのセレウコスなどと並ぶ有力諸侯の一人になりました。リシマコスは自らの正統性を広く示すため、亡きアレキサンダー大王の姿を刻んだ銀貨や金貨を大量に発行したのです。

 コイン表面に打ち出されたアレキサンダー大王の側頭部には、羊のような巻角が生えています。この巻角はエジプトの大神アモンの象徴であり、エジプトに遠征した大王が神託によって「アモン神の息子」とされたことを示しています。つまり、このコイン上に表現されたアレキサンダーは「大王」であるとともに「神」として表現されているのです。


 

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