オーストリア継承戦争中の1740年代初頭、ジョージ・アンソン提督率いるイギリス艦隊はスペインの植民地ペルーを攻撃し、敵艦艇から獲得した南米産の金銀を戦利品として持ち帰りました。本国の王立造幣局はもたらされた大量の金銀で金貨・銀貨を製造しました。イギリス艦隊の戦利品によって作られたことを示すため、ペルーの首都リマから「LIMA」銘をコインに刻みました。

　ジョージ2世(在位:1727年～1760年)はイギリス及びハノーヴァーの君主として30年以上その地位にあり、治世中にはオーストリア継承戦争や七年戦争に介入してイギリスの影響力拡大を図りました。戦争を経て北アメリカからカリブ海、インドにおける植民地獲得競争はフランスに対して優位となり、大英帝国の大きな飛躍となりました。
　また映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』に登場する英国王としても知られ、ジョージ2世のシリング銀貨は映画作中にも登場します。