商品番号:241295
- 発行国:
- フランス
- 製造都市:
- パリ
- 発行年:
- 1804
- 額 面:
- メダル
- 金 性:
- Bronze
- 表図柄:
- ナポレオン1世
- 裏図柄:
- 元老院と軍に推戴されるナポレオン
- サイズ:
- 40mm
- 重 量:
- 29.66g
- 資 料:
- Bramsen326
- 状 態:
- EF-
【ナポレオン1世 皇帝即位記念メダル】
1804年、ナポレオン・ボナパルトのフランス皇帝即位を記念した大型メダル。ナポレオンは1804年5月に元老院の推戴を受け、国民投票による圧倒的な支持によって皇帝となりました。同年12月2日にはパリのノートルダム大聖堂で豪華な戴冠式が挙行され、ナポレオンによる第一帝政が華々しく始まりました。
このメダルは戴冠式に合せて造られたものとみられ、同じ型で銀メダルも作成されています。また同じデザインでより小さなメダル(ジェトン)が大量に作成され、戴冠式に集まった群衆に向けてばら撒かれました。これは、古代ローマ時代に皇帝が即位した際、祝儀として軍や市民に新しいコインを配った故事に倣ったものです。
世界史上の重要な場面に際して造られた、貴重な歴史的記念品。19世紀初頭フランスの彫刻・鋳造技術の粋を集めて産み出された、芸術性の高いブロンズメダルです。
ジャック=ルイ・ダヴィッド作『ナポレオン一世の戴冠式』(1807年)
表面には皇帝ナポレオン1世(在位:1804年~1814年)の横顔肖像が表現されています。頭部には月桂冠を戴き、伝統的なフランス王というよりも古代ローマ皇帝の風貌に類似しています。左右には「NAPOLEON EMPEREUR. (ナポレオン皇帝)」銘が刻まれています。
裏面には元老院議員と軍人によって支えられた皇帝ナポレオンの立像が表現されています。この構図はナポレオンが国民と軍の支持によって皇帝になったことを示しています。盾の上に乗せられた姿は、軍団内の支持によって皇帝に担ぎ上げられた古代ローマ時代を彷彿とさせます。周囲部には「LE SENAT ET LE PEUPLE (元老院と人民)」銘、左側には「LOIS (法)」と刻まれた本、右側には農耕で使用する鋤が配されています。下部には、共和暦13年(=1804年)を示す「AN XIII」銘が配されています。
『戴冠式の準備』
絶大な権力を掌握したナポレオンは「皇帝」に即位することで権威を高めようとしました。その際、ナポレオンは自ら皇帝を宣言することはせず、元老院による推戴と国民投票を経て皇帝位を引き受ける形をとりました。そのため正式な称号上は「Empereur des Français (フランス人民の皇帝)」と表記されています。こうして革命を経て共和政となったフランスの政体を尊重しつつ、帝政の正統性を国民の支持に求めたのでした。
一連の経緯はナポレオンの古代ローマに対する憧れも反映され、その後の第一帝政下ではパリのエトワール凱旋門に代表されるように、古代ローマ趣味がナポレオン時代の大きな特色になりました。