
商品番号:234167
- 発行国:
- イスラーム帝国
- 地方名:
- アッバース朝
- 発行年:
- AH208(AD824)
- 額 面:
- ディナール
- 金 性:
- AV (Gold)
- 表図柄:
- コーラン一節「信仰告白」
- 裏図柄:
- コーラン一節
- サイズ:
- 16.5mm×18mm
- 重 量:
- 4.11g
- 資 料:
- Album222-9/TW389/Fr7var
- 状 態:
- F+
第7代カリフ アル=マアムーン(在位:813年~833年)治世下の発行
当時のディナール金貨一枚の価値は、ディルハム銀貨22枚に相当したと記録されています。
アッバース朝は預言者ムハンマドの後継者を自任するカリフ(教主)を頂点とし、アラビア半島からペルシア、エジプト、シリア、カフカース、中央アジアに至る広大な領域を支配した大帝国でした。ハールーン・アッラシードの時代はアッバース朝の最盛期とされ、首都マディナ・アル=サラーム(「平安の都」の意。現在のイラク,バグダード)はビザンチン帝国のコンスタンティノポリス、唐の長安と並ぶ、世界有数の大都市として繁栄しました。ディルハム銀貨やディナール金貨は首都をはじめ、帝国各地の主要都市で製造され、交易や納税を通じて広く使用されました。
当時のディルハム銀貨は偶像崇拝を禁ずるイスラームの教えに則り、聖典『コーラン(クルアーン)』の一節を刻んだ大変シンプルなものです。しかし、当時この銀貨は中近東全域で広く使用され、交易路に沿って中世ヨーロッパでも使用されました。
表面にはイスラーム教の信仰告白を示す「アラーの他に神はなし」という文言が刻まれ、周囲部には「尊きアラーの御名において、208年にマディナ・アル=サラームにて造られたディナール」を意味するアラビア文字銘が刻まれています。「208年」はイスラームのヒジュラ暦であり、西暦では824年にあたります。
裏面には「ムハンマドはアラーの使徒である。彼は導きと真理をもって使徒を遣わした。多神教徒が好まざるとも、全ての教えの上に君臨する」という銘が刻まれています。