
商品番号:229415
- 発行国:
- バクトリア王国
- 発行年:
- BC155-BC130
- 額 面:
- ドラクマ
- 金 性:
- AR (Silver)
- 表図柄:
- メナンドロス1世
- 裏図柄:
- アテナ女神立像
- サイズ:
- 17mm
- 重 量:
- 2.49g
- 状 態:
- VF+ toned
紀元前2世紀、シルクロードに栄えたインド・グリーク王朝「グレコ=バクトリア王国」で発行されたドラクマ銀貨。流通の痕跡がほとんど見られない希少な保存状態です。
表面には兜を被るメナンドロス1世の横顔肖像が打ち出され、上下にはギリシャ文字による尊称号「ΒΑΣΙΛΕΩΣ ΣΩΤΗΡΟΣ ΜΕΝΑΝΔΡΟΥ(=王たる救世者メナンドロス)」銘が配されています。
裏面には武装したアテナ女神像が表現され、周囲部には表面と同じ意味の銘文がカローシュティー文字によって配されています。
メナンドロス1世は仏典『ミリンダ王の問い』で紹介されるなど、当時より文化・軍事の面で優れた大王として記録されています。古代中国の仏典では「弥蘭陀王」とも記されました。
バクトリアの主要なギリシャ式都市 アイ=ハヌムの遺跡
バクトリア王国は現在のパキスタン、アフガニスタン、イラン北部、インド北西部にまたがる広大な領域を支配した王国でした。アレキサンダー大王(マケドニア王アレクサンドロス3世)による東方遠征の後、現地に残留したギリシャ系兵士達は独自の文化を守り、各地で大きな勢力を保持しました。紀元前3世紀の中頃、セレウコス朝シリアから分裂したバクトリア王国は、ヨーロッパとインド大陸、中国大陸との交易の中継地として繁栄し、その領土も拡大を続けました。その中においても、各種彫刻に代表される芸術文化や、ドラクマ、スターテルといった幣制に至るまで、遠く離れたギリシャ本土の文化を保持したのです。