商品番号:228524
- 発行国:
- バクトリア王国
- 発行年:
- BC170-BC145
- 額 面:
- テトラドラクマ
- 金 性:
- AR (Silver)
- 表図柄:
- エウクラティデス1世
- 裏図柄:
- 双子神ディオスクロイ
- サイズ:
- 33mm
- 重 量:
- 16.7g
- 状 態:
- EF-
☆最盛期の古代バクトリア王国で造られたテトラドラクマ銀貨
☆シルクロードの中継地として繁栄したギリシャ系王朝が東方の地で造った本格的ギリシャコイン。ギリシャ本土のもの以上に、彫刻と造型が美しい逸品です。
☆王の肖像や裏面のモティーフは、まさにギリシャ彫刻といって良いほど立体的であり、かつ力強いものです。
☆2000年以上前に衰亡した王国の栄華を現在に伝える、貴重で美しい歴史的遺産です。
エウクラウティデス1世は紀元前2世紀のバクトリア王。インドへ南進して領土を拡大した最盛期の王として記録されています。
裏面のデザイン「ディオスクロイ騎馬像」はその芸術性の高さからよく知られ、現在ではアフガニスタン中央銀行の行章としてそのまま取り入れられています。
バクトリアの主要なギリシャ式都市 アイ=ハヌムの遺跡
バクトリア王国は現在のパキスタン、アフガニスタン、イラン北部、インド北西部にまたがる広大な領域を支配した王国でした。アレキサンダー大王(マケドニア王アレクサンドロス3世)による東方遠征の後、現地に残留したギリシャ系兵士達は独自の文化を守り、各地で大きな勢力を保持しました。紀元前3世紀の中頃、セレウコス朝シリアから分裂したバクトリア王国は、ヨーロッパとインド大陸、中国大陸との交易の中継地として繁栄し、その領土も拡大を続けました。その中においても、各種彫刻に代表される芸術文化や、ドラクマ、スターテルといった幣制に至るまで、遠く離れたギリシャ本土の文化を保持したのです。
コインの表面には、特徴的な兜を被ったエウクラティデス1世の胸像が美しく打ち出されています。エウクラティデス1世は国力の安定と充実を行うだけでなく、自ら軍を率いてインド方面の遠征を行い、バクトリア王国の領土拡大を画策しました。このコイン自体もまた、エウクラティデス1世が建設し自らの名を冠した都市「エウクラティデア」で造られたと考えられています。
裏面には双子神ディオスクロイの騎馬像が表現されています。その手には勝利を象徴する棕櫚の枝葉と長槍を携え、頭にはピレウス帽を被っています。上下には発行者であるエウクラティデス1世を示す「ΒΑΣΙΛΕΩΣ MEΓAΛOY ΕΥΚΡΑΤΙΔΟΥ (大王エウクラティデス)」銘が刻まれています。
このコインに表現された双子神ディオスクロイは勝利や武勇の象徴であると共に、バクトリア王国とエウクラティデス1世によるギリシャ世界とインド世界での勝利と統合を示唆するものと考えられています。