商品番号:227992
- 発行国:
- ローマ帝国政
- 造幣都市:
- ローマ
- 発行年:
- AD199
- 額 面:
- デナリウス
- 金 性:
- AR (Silver)
- 表図柄:
- ゲタ
- 裏図柄:
- ノビリタス女神立像
- サイズ:
- 18mm
- 重 量:
- 3.67g
- 資 料:
- RC7184/RSC90/RIC13a
- 状 態:
- EF
2世紀末、セプティミウス・セウェルス帝の治世下に発行されたデナリウス銀貨。表面には、皇帝の次男である幼いゲタの横顔肖像が打ち出されています。左右には「P SEPT GETA CAES PONT (プブリウス・セプティミウス・ゲタ 副帝 神祇官)」銘が配されています。
裏面にはノビリタス女神像が表現されています。ノビリタスは「為政者」や「著名者」の意味を持ち、さらに派生して「高潔」「高貴」「崇高」を示す言葉となりました。
189年にセプティミウス・セウェルス帝とユリア・ドムナ妃の間に生まれたゲタは、一歳年上の兄であるカラカラに次ぐ地位を与えられ、211年に父帝が崩御すると兄の共同統治帝として即位しました。
しかし兄との関係は即位前から非常に悪く、即位後も反目し続けていました。共に帝位に就いてからわずか数ヶ月で兄弟は半ば絶縁状態となり、互いの毒殺や帝国の分割までも目論まれるようになりました。兄弟間の対立に心を痛めた母ユリア・ドムナは仲介を試みますが、その席でカラカラは刺客を差し向けて弟を殺害しました。
ゲタの最期 (ジャック=オーギュスタン=カトリーヌ・パジュー作)
母親に抱かれながら息絶えたゲタは、わずか10ヶ月の帝位を終え、その後は兄カラカラ帝による記録の抹消が断行されました。歴史家カッシウス・ディオの記述によれば、カラカラ帝はゲタの支持者と見做した人々を悉く粛清、さらに弟の彫像を次々に破壊し、それを支えていた土台の石にすら怒りをぶつけたとされます。碑文や壁画からもゲタの名や肖像が削除され、ゲタの肖像が刻まれた貨幣さえも回収し、それらをすっかり鋳潰してしまったと伝えています。