エラガバルス帝&ユリア・マエサ/セラピス神

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商品番号:204771

発行国:
ローマ帝国政 
地方名:
下モエシア属州 
都 市:
マルキアノポリス 
発行年:
AD220-AD221 
額 面:
ペンタサリオン 
金 性:
AE 
表図柄:
エラガバルス帝&ユリア・マエサ 
裏図柄:
セラピス神立像 
サイズ:
25mm 
重 量:
10.78g 
状 態:
VF 

 セウェルス朝時代の古代ローマ帝国で発行されたペンタサリオン銅貨。このコインは下モエシア属州(現在のブルガリア)で発行され、現地で流通していたものです。当時の下モエシア属州総督 ユリウス・アントニウス・セレウコスによって発行されました。

 表面には当時のローマ皇帝エラガバルス(ヘリオガバルス)と、祖母のユリア・マエサが向かい合う姿で表現されています。
 エラガバルス帝(ヘリオガバルス帝 在位:AD218年~AD222年)ははもともとシリアの太陽神エル・ガバルの神殿で司祭長を務めていましたが、ローマ中枢政治への復帰を狙う祖母ユリア・マエサによって皇帝に担ぎ出され、14歳の若さで即位しました。当時のローマでは、女性の政治参加は認められていませんでしたが、セウェルス朝時代には息子や孫を皇帝に仕立てることで、実権を握ろうとする祖母や母親が多く出現しました。

 エラガバルス帝は即位時に少年だったこともあり、政治の実権は祖母ユリア・マエサと母親ユリア・ソエミアによって握られていました。しかし、エラガバルス帝はエル・ガバル神を最高神として崇めた他、豪奢な宮廷生活と異常なまでに乱れた性生活が噂され、ローマ市民と軍の支持を失いました。

 当時のローマでも、誰が実権を握っているかは知られていたと思われ、ユリア・マエサやユリア・ソエミアを表現したコインが数多く発行されています。首都ローマから遠く離れた属州都市マルキアノポリスでも、皇帝と祖母の姿を並べたコインを発行し、誰が統治者であるかを知らしめていました。
 伝統的に、マルキアノポリスで発行されたコインには、二人の人物を向かい合せて並べた大胆なデザインが踏襲され、本国ローマでは見られないコインが造られています。当時の政治的にも、大変野心的な表現です。


 

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